SPS超硬シリーズ
SPS超硬シリーズは、厳選されたナノサイズ粒子炭化タングステン(WC)粉末に独自の焼結プロセスを加えることで誕生した新超硬素材です。
結合剤、焼結助剤を一切含まないバインダレス超硬は、従来の超硬合金を凌ぐ硬度と強度、高い耐熱性や耐食性、耐摩耗性を有し、様々な用途や環境下でお使いいただけます。
特性
バインダレス超硬:M78、WC100は焼結材や結合助剤をともに含んでいないため、高い鏡面加工性や耐摩耗性、超硬材料の中でも国内トップクラスの硬度など、従来のバインダレス超硬に比べ優れた特性を有しています。
耐熱性
耐食性
機械特性
粒度 (µm) | 密度 (g/cm3) | 硬度 (mHv) | 抗折力(Mpa) | 破壊靭性* K1c | |
---|---|---|---|---|---|
M78 | <0.2 | 15.4 | 2600 | 1500 | 5.1 |
WC100 | <0.08 | 15.6 | 2700 | 1470 | 5.6 |
*破壊靭性値はJIS R 1607(IF法)に準拠して測定
ノーバインダー超硬
M78、WC100はCo、Niなどの結合剤のみならず、TaC、TiC、ZrCなどの特定焼結助剤をも一切含まない、完全ノーバインダの炭化タングステン基超硬です。
M78は主にガラスレンズ金型材料としてご好評をいただいており、平均粒径80nmの超超微粒炭化タングステン原料から製造されるWC100は非常に高い硬度(HV2700)を誇ります。
耐食性、耐摩耗性、耐酸化性、耐熱性に優れ、高精度を長く維持することができ、熱膨張率が低いことも大きな特長です。
製造技術
放電プラズマ焼結(SPS: Spark Plasma Sintering)法は、パルス電流・電圧を焼結型と材料に直接印加する焼結方法。
自己発熱による急速昇温のため、素材の特性はそのままに緻密な焼結が可能です。
エヌジェーエスでは、日本国内で唯一の連続炉型SPS生産システムを備え、焼結時間と製造コストを抑えた高品質な超硬材をご提供しています。
アプリケーション
非球面ガラスレンズ加工用金型
高精度デジタルカメラに使われる非球面ガラスレンズ。
高温下でガラス原料をプレスするため、その金型には高い耐熱性と耐久性、そして鏡面精度が求められます。
Ra数nmの面粗さが得られるM78、WC100を使用すれば、高い耐酸化性と相俟って金型の長寿命化が図れます。
製品情報
M78 | φ100×10~55t(最大値) |
WC100 | φ60×10~35t(最大値) |
標準焼結型で製作できる、焼結焼き肌状態での寸法です(浸炭層除去を行う場合、上記寸法から片側0.5mmが推奨除去代になります)。
研削、ワイヤー放電加工による切り出しも承りますので、お気軽にご相談ください。
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SPS傾斜機能材料
SPS傾斜機能材料はSPS法固有の温度傾斜焼結により、材料の組成や組織、物性などを連続的/段階的に厚さ方向、または広がり方向に一体化させたものです。
傾斜機能材料(Functionally Graded Materials)の頭文字からFGM/FGMsとも呼ばれます。
原材料それぞれの物質特性を併せ持ちながら、均質材料には無い新たな機能を創出でき、通常接合が困難なセラミックス/金属、樹脂/金属といった異種材同士のバルク状焼結など、着想次第で様々な新しい材料を生み出すことができます。
上の写真はチタンビーズ多孔体(単体材料)と粉体から作製したチタンポーラスFGMs。
チタン緻密体側表面は金属反射していることがわかります。
FGMs超硬
バインダーであるCoやNiの量を分散傾斜させたFGMs超硬は、高硬度・高靱性の「硬さ傾斜超硬」、TIG溶接可能な「ウェルダブルFGMs超硬」、一般の機械切削によるネジ切り可能な「マシナブルFGMs超硬」など、従来の超硬の常識を覆す新材料。
プレス打抜き金型・各種耐摩耗工具の長寿命化や押出成形機用スクリューのFGMs超硬溶接被覆による段取替え工数削減・稼働率アップ、機器ライフ向上などに成果を上げています。
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製造・研究開発│株式会社エヌジェーエス