フードプリンターって何?
「フードプリンター」とは、可食(食べられる)インクを使用して、食品上に文字やイラスト、写真などを印刷するプリンターです。
印刷方法としては、シリアルヘッド(マルチパス)方式とワンパス(シングルパス)方式があり、当社ではワンパス方式を採用しています。
シリアルヘッド方式
家庭用のプリンターと同じように、プリントヘッドが左右にスライドして印刷を行います。
インクを重ねながら濃度を上げて行くため、写真など、高い濃度や解像度が求められる場合の印刷に適しています。
ワンパス方式
固定されたプリントヘッドの下をワークが通過する際にインクを滴下して印刷を行います。
シリアルヘッド方式に比べスループットが多くなるため、工場など生産性が求められる場合の印刷に適しています。
可食インク
食べられるインクって何?本当に食べても大丈夫?――そんな疑問にお答えします。
可食インクには、大きく分けて天然着色料インク(天着)と合成着色料インク(合着)があり、
当社のフードプリンターはどちらのインクにも対応しています。
天然着色料インク(天着)
天然着色料インク(天着)は、ウコンやクチナシ、パプリカといった動植物などから抽出された天然色素を使用したインクです。
天然着色料は自然な発色が特徴で、かねてから和菓子などの色付けに使用されてきましたが、健康志向の高まりを受け、日本国内における使用量は増加傾向にあります。
天然着色料は光や熱に対して敏感なので安定的な供給が難しく、合成着色料インクに比べ高価です。
合成着色料インク(合着)
合成着色料インク(合着)は、科学的に合成された人工色素(食用タール系色素)を使用したインクです。
合成着色料は発色性が良い、褪色しにくいといった特徴から、多くの食品で使用されています。
使用を禁止している国もありますが、日本では各国によって実施された添加物の安全性試験の結果に基づく一日あたりの許容摂取量(Acceptable Daily Intake=ADI)が設定されています。
ブラウンインク(天然着色料インク)
焼印の代わりに
ブラウンインクは、チョコレートやココアの原材料として知られるカカオ豆を使用した天然着色料インクです。
蒲鉾のように、表面に水分のあるワークにも印刷でき、焼印の代わりとしてもお使いいただけます。
当社のフードプリンターラインアップ全機種に搭載できます。
※ ブラウンインクを使用する際、CMYインクは使用できません。
ホワイトインク(合成着色料インク)
濃色系ワークへの印刷に
ホワイトインクは、当社がインクメーカーと共同で独自開発した白色の合成着色料インクです。
従来のフードプリントでは、CMYKインクの組み合わせ(コンポジット)で印刷を行うため、濃色ワークへの印刷においてはカラーインクが下地の色に吸収されてしまうことが課題でした。
ホワイトインクを下地として利用することでカラーの発色が良くなるため、チョコレート菓子などの濃色ワークへの印刷が可能になるほか、デザインに立体感を与える効果も期待できます。
高速フードプリンター
コンパクトな筐体設計に加え、最大45m/minの高速印刷に対応するワンパス式を採用したフードプリンター。
生産性を損なうことなく既設の生産ラインにもスムーズに導入でき、インクの吐出速度が速いため、円筒形状のお菓子など印刷面に多少の高低差があるワークにもムラなく印刷できます*1。
装置本体には自動メンテナンス機構を搭載し、ワンタッチで配管内の自動洗浄を行うことができるため衛生的管理しやすく、また、運転中にインクの補充を行うことも可能です。
*1 別途、ワークの固定用に専用治具が必要になります。
高速フードプリンター ラインアップ
仕様比較表
型式 | HSP-710R | HSP-710R-Wホワイトインク対応 |
---|---|---|
印刷方式 | ワンパス(シングルパス)方式 | |
操作 | 専用アプリケーション* | |
印刷データ形式 | JPEG・BMP・PNG・TIFF | PNG・TIFF |
インク供給方式 | 4色専用ボトル供給式 | |
インク | CMYK(天然着色料・合成着色料) | CMY+W(ホワイトインク) |
印刷幅 | 54mm | |
解像度 | 600×600dpi(54mm) | |
ワーク厚さ | 2~60mm | |
パスライン高さ*2 | 800mm(±50mm) | |
附属コンベア寸法 | W150 × L1,050mm | |
コンベア対応速度 | 最大45m/min(可変) | |
本体寸法 | W745 × D545 × H1,400mm | |
本体重量 | 200kg | |
電圧/電流 | AC100V 50/60Hz 2A |
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卓上型フードプリンター
シリアルヘッド式が主流の卓上型フードプリンターの中で、ワンパス式を採用。
ワーク整列の手間が無く、印刷速度も速いため、シリアルヘッド式に比べて生産能力が高いのが特徴です。
持ち運びができる小型・軽量設計に加え、AC100V電源のみで駆動できるため、設置場所を選びません。
また、7インチサイズのタッチパネル、スイッチとダイヤルで操作できるコンベアなど、必要な機器を1台に集約。
スタンドアロンタイプのフードプリンターです。
昇降ハンドル
印刷ヘッドの高さを変えられるため、厚みのあるワークにも印刷することができます。
タッチパネル
印刷操作は、文字が見やすい7インチサイズのタッチパネルで行います。
コンベア用ダイヤル
コンベアの速度はダイヤルで、運転/停止はスイッチで操作できます。
卓上型フードプリンター ラインアップ
仕様比較表
型式 | DTP-150C | DTP-300C | DTP-300C-Wホワイトインク対応 |
---|---|---|---|
印刷方式 | ワンパス(シングルパス)方式 | ||
操作 | 7インチ液晶タッチパネル | ||
印刷データ形式 | JPEG・BMP・PNG・TIFF | PNG・TIFF | |
印刷データ作成 | 専用画像変換アプリケーション* | ||
インク供給方式 | 4色専用ボトル供給式 | ||
インク | CMYK(天然着色料・合成着色料) | CMY+W(ホワイトインク) | |
印刷幅 | 54mm | ||
解像度 | 150×1,200dpi(54mm) | 300×1,200dpi(54mm) | |
ワーク厚さ | 2~70mm | ||
附属コンベア寸法 | W100 × L600mm | ||
コンベア対応速度 | 最大20m/min(可変) | ||
本体寸法 | W600 × D580 × H580mm | ||
本体重量 | 約40kg | 45kg | |
電圧/電流 | AC100V 50/60Hz 2A |
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ホワイトインク対応フードプリンター
ホワイトインク対応フードプリンターは、CMYの3色とW(ホワイト)を使用して印刷を行うフードプリンターです。
ホワイトインクを下地として使用することで、チョコレート菓子などの濃色系ワークへの印刷が可能になりました。
従来、濃色系ワークへのプリントは、印刷面にカラーインクが同化することで印刷パターンが見えにくくなるため、難しいとされていました。
当社のホワイトインク対応フードプリンターは、白の表現はもちろん、ホワイトインクのレイヤーを下地として使用することで、鮮やかなカラー表現が可能になる(*)ほか、デザインに立体感を与える効果も期待できます。
(*)印刷面に油分を多く含むワークの印刷には乾燥時間を必要とします。